アイル・ゲット・ユー

ビートルズ > 作品リスト > アイル・ゲット・ユー
ビートルズ > 曲名リスト > アイル・ゲット・ユー
アイル・ゲット・ユー
ビートルズ楽曲
英語名I'll Get You
リリース
  • イギリスの旗 1963年8月23日
  • アメリカ合衆国の旗 1963年9月16日
  • 日本の旗 1964年4月5日
規格7インチシングル
A面シー・ラヴズ・ユー
録音
ジャンルリバプールサウンド
時間2分04秒
レーベル
作詞者レノン=マッカートニー
作曲者レノン=マッカートニー
プロデュースジョージ・マーティン
ビートルズ シングル U.K.U.S. 年表
  • 抱きしめたい
  • (1963年)
ビートルズ シングル 日本 年表
  • プリーズ・プリーズ・ミー
  • (1964年)
パスト・マスターズ Vol.1 収録曲
シー・ラヴズ・ユー
(4)
アイル・ゲット・ユー
(5)
抱きしめたい
(6)

アイル・ゲット・ユー」(I'll Get You)は、ビートルズの楽曲である。1963年8月にシングル盤『シー・ラヴズ・ユー』のB面曲として発売された。レノン=マッカートニーの作品で、制作当初のタイトルは「Get you in the end[1]。A面曲の「シー・ラヴズ・ユー」と同じく、「yeah」の繰り返しがフィーチャーされている。オリジナル・アルバムには未収録となっており、アメリカではキャピトル編集盤『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』、イギリスではコンピレーション・アルバム『レアリティーズ』でアルバム初収録となった。

背景・曲の構成

本作についてポール・マッカートニーは「ジョンと2人で書いた」と語っており[2]ジョン・レノンも1980年の『プレイボーイ』誌のインタビューで共作としたうえで「ポールと曲を書こうとして…うまくいかなかった」と語っている[3]

曲のキーはDメジャーで、4分の4拍子となっていて、終始レノンとマッカートニーのデュエットで歌われる[4]ベースが強調されている一方で、リズムギタードラムは8ビートを刻んでいる。なお、リードギターのパートは存在しない[4]。「ラヴ・ミー・ドゥ」や「アイ・ソー・ハー・スタンディング・ゼア」でも聴くことができるハンドクラップは、本作ではイントロ部分だけに登場し、パーカッションの役割を果たしている[4]

本作は「Imagine I'm in love with you(想像してみて、僕が君に恋してるって)」と呼びかけるところから始まっており、この形式は後に発表された「ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイアモンズ」やレノンのソロ曲「イマジン」にも見られる[2]。コード進行についてマッカートニーは、「It's not like me to pretend(そんなふりをするなんて、僕らしくないけれど)」というフレーズのコードをジョーン・バエズの「私の悩み(英語版)」から拝借したことを後に明かしている[2]

レコーディング

「アイル・ゲット・ユー」は、1963年7月1日にEMIレコーディング・スタジオでレコーディングされ[5][6]、同月4日にミキシングが行なわれた[7]。なお、レコーディングで必要となったテイク数や、ミキシング時に使用されたテイクは不明となっている[7]。また、当時はモノラル・ミックスを作成した後に、セッション・テープを破棄していたため、「ラヴ・ミー・ドゥ」、「P.S.アイ・ラヴ・ユー」、「シー・ラヴズ・ユー」と同様にステレオ・ミックスは存在しない[7]

リリース

「アイル・ゲット・ユー」は、1963年8月23日にイギリスで発売されたシングル盤『シー・ラヴズ・ユー』のB面に収録された[6]。アメリカでは、1963年9月16日にシングル盤『シー・ラヴズ・ユー』のB面曲として発売された後、1964年5月21日に発売されたシングル盤『シー・ラヴズ・ユー(ドイツ語)』のB面曲としても発売され、その後4月10日に発売されたキャピトル編集盤『ザ・ビートルズ・セカンド・アルバム』に収録された[6]。イギリスにおいては『レアリティーズ』が『ビートルズ・コレクション(英語版)』内の1アルバムとして発表されるまではアルバム未収録のままだった。CD作品では、1988年に発売のコンピレーション・アルバム『パスト・マスターズ Vol.1』で初収録となった。

日本では1964年4月5日に発売されたシングル盤『シー・ラヴズ・ユー』のB面に収録された後、1978年4月5日に独自発売されたコンピレーション・アルバム『ザ・ビートルズ・ビート』に収録された。

1995年に発売された『ザ・ビートルズ・アンソロジー1』には、1963年10月13日にロンドン・パラディウム(英語版)で開催されたライブでの音源が収録された。なお、BBCラジオの番組でも演奏されており、1963年9月7日に放送された『Saturday Club』での演奏が2013年に発売された『オン・エア〜ライヴ・アット・ザ・BBC Vol.2』に収録された[8][注釈 1]

クレジット

※出典[9]

カバー・バージョン

R・スティーヴィー・ムーアは、1986年に発売されたアルバム『Man of the Year Volume 4』でカバーした[10]

マイケル・カーペンターは、2001年に発売されたアルバム『Soop #1: Songs of Other People』で本作をカバーした[11]

マッカートニーは、2005年に行った全米ツアーで本作を演奏した。この時の模様がライブ・ビデオ『ライヴ・イン・ザ・US 2005〜ザ・スペース・ウィズイン・アス〜(英語版)』に収録された。

スミザリーンズ(英語版)は、2008年に発売されたカバー・アルバム『B-Sides the Beatles』でカバーした[12]

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 1963年7月16日放送の『Pop Go The Beatles』でも演奏されたが、こちらは現在もビートルズの公式作品には未収録となっている。

出典

  1. ^ Lewisohn 1988, p. 32.
  2. ^ a b c Miles 1997, p. 150.
  3. ^ Sheff 2010, p. 205.
  4. ^ a b c Pollack 1991.
  5. ^ Russell 2006, p. 184.
  6. ^ a b c Womack 2014, p. 445.
  7. ^ a b c Margotin & Guesdon 2013, p. 84.
  8. ^ “On Air - Live At The BBC Volume 2”. thebeatles.com. Apple Core. 2020年8月15日閲覧。
  9. ^ MacDonald 2005, pp. 85–86.
  10. ^ Mason, Stewart. Man of the Year Volume 4 - R. Stevie Moore | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月1日閲覧。
  11. ^ Soop #1: Songs of Other People - Michael Carpenter | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年9月3日閲覧。
  12. ^ Deming, Mark. B-Sides the Beatles - The Smithereens | Songs, Reviews, Credits - オールミュージック. 2020年10月1日閲覧。

参考文献

  • Lewisohn, Mark (1988). The Beatles Recording Sessions. New York: Harmony Books. ISBN 0-517-57066-1 
  • MacDonald, Ian (2005). All The Songs: The Story Behind Every Beatles Release (Second Revised ed.). London: Pimlico (Rand). ISBN 1-84413-828-3 
  • Margotin, Philippe; Guesdon, Jean-Michel (2013). All The Songs: The Story Behind Every Beatles Release. Black Dog & Leventhal. ISBN 1-5791-2952-8 
  • Miles, Barry (1997). Paul McCartney: Many Years From Now. New York: Henry Holt and Company. ISBN 0-8050-5249-6 
  • Pollack, Alan W. (1991年). “Notes on "I'll Get You"”. soundscapes.info. 2021年10月16日閲覧。
  • Russell, Jeff P. (2006). The Beatles Complete Discography. Universe. ISBN 0-7893-1373-1 
  • Sheff, David (2010). All We Are Saying: The Last Major Interview with John Lennon and Yoko Ono. St. Martin's Publishing Group. p. 205. ASIN B0040ZN98G. https://books.google.co.jp/books?id=HL7X-YyrINUC&pg=PA205&dq=That+was+Paul+and+me+trying+to+write+a+song%E2%80%A6+and+it+didn%E2%80%99t+work+out..+PLAYBOY&hl=ja&sa=X&ved=2ahUKEwjel5GtrdDuAhXPUt4KHflpBtoQ6AEwAHoECAYQAg#v=onepage&q=That%20was%20Paul%20and%20me%20trying%20to%20write%20a%20song%E2%80%A6%20and%20it%20didn%E2%80%99t%20work%20out..%20PLAYBOY&f=false 
  • Womack, Kenneth (2014). The Beatles Encyclopedia: Everything Fab Four. ABC-CLIO. ISBN 0-3133-9172-6 

外部リンク

  • I'll Get You - The Beatles
UK盤・US盤共通
1963年
1964年
1965年
1966年
1967年
1968年
1969年
1970年
1978年
1982年
1995年
1996年
2023年
UK盤
パーロフォン /
アップル
1962年
1963年
1964年
1976年
US盤
ヴィージェイ /
スワン /
トリー /
キャピトル /
アップル
1963年
1964年
1965年
1966年
1970年
1976年
その他
オデオン /
パーロフォン /
アップル
1963年
1964年
1965年
1966年
1968年
1969年
1970年
1972年
1978年
1981年
典拠管理データベース ウィキデータを編集
  • MusicBrainz作品