パーセントポイント

曖昧さ回避 パーセント点」とは異なります。

パーセントポイント (percent point) [1]またはパーセンテージポイント (percentage point) とは、パーセント (%) で表された2つの値の差を表す単位である。

日本語では単にポイントと呼ばれることが多い。例えば、ある値が40パーセントから44パーセントになった場合は「4ポイントの増加」という[2][3]。パーセントポイントは、pp、p.p.、ppt、%pt などと略記される[4]

パーセントとパーセントポイントの違い

1980年には人口の50パーセントが喫煙していたが、1990年には40パーセントしか喫煙していなかった場合を考える。この場合、喫煙率(人口に対する喫煙者の割合)は1980年から1990年の10年間で「10ポイント」下がったと言う。これを「10パーセント」下がったと言わないのは、「50パーセントのうちの10パーセント下がった」、すなわち、 50 - (50 × 0.1) = 45 で45パーセントになったとも解釈できてしまい、曖昧であるからである。また、1980年と1990年で総数となる全人口が変わっており、単純に比較することができないという理由もある。

パーセントポイントの差は、リスクや確率を表す一つの方法である。例えば、ある病気が70パーセントの確率で治る薬があり、その薬を使わないと50パーセントの確率で自然治癒すると仮定する。この場合、この薬は絶対的なリスクを20ポイント軽減すると言える。この数値を絶対リスク減少率といい、その逆数を治療必要数 (NNT) という。前述の例に照らすと、この薬のNNTは 1/(20pp) = 1/0.20 = 5 となり、5人の患者に薬を投与した場合、薬を投与しなかった場合よりも1人多くの患者が治癒することが期待できる。

関連する単位

脚注

  1. ^ 熊倉, 國宗 & 柗元 2019, pp. 80–89, 『中学生・高校生の割合の理解に関する調査研究』
  2. ^ Brechner 2008, p. 190
  3. ^ Brechner 2006, CD-ROM版、Thomson South-Western発行
  4. ^ Wickham 2003, p. 30

参考文献

本文の典拠、主な執筆者、編者の順。

  • 熊倉 啓之、國宗 進、柗元 新一郎「中学生・高校生の割合の理解に関する調査研究」『静岡大学教育実践総合センター紀要』、静岡大学教育学部附属教育実践総合センター、2019年3月27日、OCLC 1282580354、2024年5月8日閲覧 
洋書
  • Brechner, Robert (2008). Contemporary Mathematics for Business and Consumers, Brief Edition. Cengage Learning. p. 190. オリジナルの18 May 2015時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20150518123546/https://books.google.co.uk/books?id=jSsHAAAAQBAJ&lpg=PA190&dq=percentage%20points&hl=no&pg=PA190#v=onepage&q=percentage%20points&f=false 2015年5月7日閲覧。 ISBN 9781111805500
    • Brechner, Robert (2006) (CD-ROM). Contemporary Mathematics for Business and Consumers, Brief Edition (4 ed.). Thomson South-Western. p. ???. OCLC 957957458 {ISBN 9781111805500, 0324320590
  • Wickham, Kathleen (2003) (英語). Cengage Learning. 30. OCLC 1285640915 ISBN 9780972993746

関連項目

50音順

  • Parts-per表記
  • 相対変化(英語版)
  • 単位当たりシステム量(英語版)
  • パン屋の計算(英語版)
  • 分位関数

外部リンク