ポデンゴ・ポルトゥゲス

ポデンゴ・ポルトゥゲス
ワイヤーヘアのポデンゴ・ポルトゥゲス・メディオ
別名 Portuguese Warren Hound
原産地 ポルトガル
特徴
主要畜犬団体による分類と標準
FCI Group 5 Section 7 #94 標準
AKC Portuguese Podengo Pequeno: Hound; Portuguese Podengo (Medio and Grande): Miscellaneous (FSS) 標準
The AKC Foundation Stock Service (FSS) is an optional recording service for purebred dogs that are not yet eligible for AKC registration.
KC (UK) Hound 標準
UKC Sighthound and Pariah 標準
イヌ (Canis lupus familiaris)

ポデンゴ・ポルトゥゲス(ポルトガル語: Podengo Portuguese)は、ポルトガル原産のサイトハウンド犬種である。英語風にポデンゴ・ポーチュギースポーチュギース・ポデンゴなどとも呼ぶ。ラージ(グランデ Grande)、ミディアム(メディオ Médio)、スモール(ペケーノ Pequeno)の3サイズがあり、毛並みもスムースヘアとワイアーヘアの2種がある[1][2]

歴史

一説では紀元前10世紀フェニキア人がポルトガルに持ち込んだ猟犬が先祖とされる[2]。また、流入したグレイハウンド系の犬と土着の犬との交雑から生まれたともいう[3]。サイズ毎に目的の違う狩猟に使われ、グランデは見通しのよい平地でのイノシシシカといった大型哺乳類の猟、メディオは見通しの悪い場所でのウサギキツネアナグマ等の猟、ペケーノはテリアと同様に巣穴に潜ってのウサギ狩りやネズミ駆除に使用される[1][2][3]15世紀には、クリストファー・コロンブス航海伝染病媒介するネズミを駆除するための小型のポデンゴが同行したと言われる[2]

1902年にドッグショーに登場し[1]1954年には国際畜犬連盟に犬種標準(スタンダード)が認められた[4]。更に、1978年に3サイズに分ける標準の改訂がなされた[1]。現在はポルトガルで約5000頭の登録があるが[1]、メディオの人気が高く[3]、グランデは飼育頭数が少ない[2]。ペケーノはペットとしても人気がある[3]。また、ワイヤーコートの個体がアメリカ映画で「野良犬」役に使われることもある[1]

特徴

ペケーノ

サイトハウンド犬種であるため、俊足で機動性が高い。マズル・首・脚・胴・尾が長い。筋肉質で引き締まった体つきで、耳はろうそく耳(ろうそくのような立ち耳)でピンと立っていて、尾は飾り毛のあるサーベル形の垂れ尾である。グランデは体高55〜70cm、体重20〜30kgの大型犬で[1]、パワフルさとスタミナを併せ持つ[3]。メディオは体高39〜54cm、体重16〜20kgの中型犬で[1]、特にスピードと機動性が高い[3]。ペケーノは体高20〜30cm、体重4〜6kgの小型犬で[1]、小型化が進んだためにメディオの持つスピードは失ったが、家庭犬として人気がある。

コートは滑らかで短いスムースタイプのものと、硬くやや長いラフタイプの2種類がある。毛色はイエローやフォーンの多様な色調が認められ、白のマークがあるものもある[1]

性格は主人家族に忠実で優しく、明るく温厚である。

脚注

  1. ^ a b c d e f g h i j 藤田りか子『最新 世界の犬種大図鑑』誠文堂新光社、2015年、250ページ。
  2. ^ a b c d e 藤原尚太郎『日本と世界の愛犬図鑑 2009』辰巳出版、2008年、160ページ。
  3. ^ a b c d e f デズモンド・モリス著、福山英也監修『デズモンド・モリスの犬種事典』誠文堂新光社、2007年、56・171ページ
  4. ^ “PODENGO PORTUGUÊS (94)”. FCI. 2015年8月15日閲覧。

関連項目