マウロ・マルティニ

マウロ・マルティニ（Mauro Martini,1964年 5月17日 - ）は、イタリア出身のレーシングドライバーである。1992年の全日本F3000選手権チャンピオン。

プロフィール

1981年にカートからレース活動を開始し、1984年にフォーミュラ・フィアットで4輪にステップアップ。1986年からイタリアF3選手権に参戦し、87年にランキング3位、88年にランキング2位を記録した。

1989年から1995年まで全日本F3000選手権にフル参戦し、1992年にシリーズチャンピオンを獲得。他にも全日本ツーリングカー選手権、全日本スポーツプロトタイプカー耐久選手権に参戦し、日本レース界では御馴染みのドライバーとなった。

F3000で競い合ったエディ・アーバイン、ローランド・ラッツェンバーガー、ジェフ・クロスノフとは友人だったが、ラッツェンバーガーが1994年のF1GP 第3戦サンマリノGPの予選中に事故死するというショッキングな出来事が起こり、ジョーダンからF1参戦中だったアーバインと共にTEAM SARDからル・マン24時間レースに参戦（総合2位 LMP1クラス優勝）したクロスノフが1996年にCART第11戦トロントでレース中に事故死したことで、マルティニは翌1997年のフォーミュラ・ニッポン第3戦富士にスポット参戦後に、フォーミュラカーレースからの引退を決意した。

レース戦績

イタリア・フォーミュラ3選手権

年	チーム	エンジン	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	12	順位	ポイント
1987年	コペルキーニ・コルセ	アルファロメオ	MAG 1	VLL 2	MIS 2	MUG Ret	VAR 4	MNZ 4	PER Ret	MIS 1	MNZ 5	IMO Ret	VLL 2	MUG 2	3位	47
1988年	コペルキーニ・コルセ	アルファロメオ	VLL Ret	MAG 1	MIS 1	VAR 2	MUG 5	MNZ 4	PER 2	MIS 4	MNZ Ret	MUG Ret	VLL 1	IMO Ret	2位	47

太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)

マカオグランプリF3

年	チーム	シャーシー/エンジン	予選	ヒート1	ヒート2	総合順位
1987年	フォルティ・コルセ	ダラーラ・F387 アルファロメオ	24位	台風の影響により1ヒート制で開催		DNF

国際F3000選手権

年	エントラント	シャシー	エンジン	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	順位	ポイント
1989年	ローラ・レーシング	マーチ・88B	ジャッド・BV	SIL 9	VLL									NC	0
1989年	レイトンハウス・レーシング	マーチ・89B	ジャッド・BV			PAU DNQ	JER 16	PER Ret	BRH	BIR	SPA	BUG	DIJ	NC	0

全日本F3000選手権/フォーミュラ・ニッポン

年	チーム	シャシー	エンジン	1	2	3	4	5	6	7	8	9	10	11	順位	ポイント
1989年	SUNDAI SPIRIT TEAM	ローラ・T88/50	無限・MF308	SUZ Ret	FSW 8	MIN									8位	9
1989年	SUNDAI SPIRIT TEAM	ローラ・T89/50					SUZ NC	SUG 3	FSW 5	SUZ 4	SUZ 14				8位	9
1990年	SUNTEC RACING TEAM	ローラ・T89/50		SUZ 6											3位	29
1990年		ローラ・T90/50			FSW 5	MIN Ret	SUZ 2	SUG 1	FSW 2	FSW Ret	SUZ 4	FSW Ret	SUZ 5		3位	29
1991年		ローラ・T90/50		SUZ 6	AUT 3	FSW 16	MIN Ret	SUZ Ret							8位	13
1991年		ローラ・T91/50							SUG 10	FSW 5	SUZ 13	FSW C	SUZ 14	FSW 2	8位	13
1992年	ACOM EVOLUTION TEAM NOVA	ローラ・T91/50		SUZ 6											1位	35
1992年		ローラ・T92/50			FSW 3	MIN 2	SUZ 6	AUT 2	SUG DNQ	FSW 1	FSW 10	SUZ 3	FSW 3	FSW Ret	1位	35
1993年		ローラ・T93/50		SUZ Ret	FSW Ret	MIN 1	SUZ Ret	AUT C	SUG Ret	FSW C	FSW Ret	SUZ 8	FSW 6	SUZ Ret	7位	10
1994年	acom RACING TEAM NOVA	ローラ・T94/50		SUZ 11	FSW 2	MIN 4	SUZ 5	SUG 5	FSW 2	SUZ Ret	FSW 10	FSW 3	SUZ 3		6位	27
1995年	SHIONOGI TEAM NOVA	ローラ・T95/50		SUZ 6	FSW C	MIN 6	SUZ 3	SUG 4	FSW 5	TOK Ret	FSW 5	SUZ 3			5位	16
1997年	オートテック STELLAR	ローラ・T96/51		SUZ	MIN	FSW Ret	SUZ	SUG	FSW	MIN	TRM	FSW	SUZ		NC	0

太字はポールポジション、斜字はファステストラップ。(key)

全日本ツーリングカー選手権

年	チーム	コ.ドライバー	使用車両	クラス	1	2	3	4	5	6	順位	ポイント
1990年	SUNTEC RACING	ジェフ・クロスノフ	フォード・シエラ RS500	JTC-1	NIS 3	SUG 5	SUZ 7	TSU Ret	SEN 8	FSW Ret

(key)

全日本GT選手権

年	チーム	使用車両	クラス	1	2	3	4	5	順位	ポイント
1994年	ACOM RACING TEAM NOVA	ポルシェ・911 カレラRSR	GT1	FSW 5	SEN Ret	FSW 7	SUG 10	MIN Ret	16位	13

(key)

ル・マン24時間レース

ル・マン24時間レース結果
年	チーム	コ・ドライバー	車	クラス	周回	順位	クラス順位
1991年	トム・ウォーキンショー・レーシングサンテック・ジャガー	デイビッド・レズリージェフ・クロスノフ	ジャガー・XJR-12	C2	183	DNF	DNF
1993年	サード Y'sレーシングチーム	ローランド・ラッツェンバーガー長坂尚樹	トヨタ・93C-V	C2	363	5位	1位
1994年	トヨタ・チーム・サード	エディ・アーバインジェフ・クロスノフ	トヨタ・94C-V	LMP1	343	2位	1位
1995年	サード	マルコ・アピチェラジェフ・クロスノフ	トヨタ・スープラ LM-GT	GT1	264	14位	8位
1996年	チーム・メニコン・サード	アラン・フェルテパスカル・ファブル	サード・MC8R-トヨタ	GT1	256	24位	15位

エピソード

来日当初教えられた日本語が「オッパイミセーロ」で、女性に会ったら必ず言うようにと教えられたため覚えた。1990年には大方日本語が聞き取れるようになり上達していたが、言葉が分かっていないふりをしてレース前でもレースクイーンに「オッパイミセーッロ!」と話しかけるなどイタリアンらしい陽気な面があった^[1]。
1992年のF1・日本グランプリ直前に放送されたフジテレビのF1特番にて、チーム監督の森脇基恭が出演していた縁から鈴鹿サーキットのコースを紹介するデモ走行を日産・R90CKで行った。助手席に同乗した川井一仁の首がコーナーの横Gで自由が利かなくなり失神寸前にするほどの激しい走りを披露する一方、全開走行のバックストレートで脇見&手離しドライブをニコニコ笑いつつして見せたり、ピットイン後"Fire! Fire!"と叫びながらひとりコクピットから逃げ出して「緊急事態」の演技をして見せ、マシンに残された川井をパニックに陥れる等、随所で茶目っ気を見せた。
ミナルディのF1ドライバー、ピエルルイジ・マルティニは同じ姓で同じ町の出身だが、親族ではない。

脚注

^ 日本のサンマリノってノリで大盛り上がり西日本F3000 Racing On No.076 98頁武集書房 1990年7月1日発行

外部リンク

DRIVER DATABASE

タイトル
先代片山右京	全日本F3000選手権 1992年	次代星野一義

表話編歴レイトンハウス
創設者	赤城明
主なチーム関係者	萩原任エイドリアン・ニューウェイイアン・フィリップスグスタフ・ブルナークリス・マーフィーチェーザレ・ガリボルディ
F1ドライバー	イヴァン・カペリマウリシオ・グージェルミンカール・ベンドリンガー
スポンサードを受けたドライバー	萩原光星野一義中嶋悟黒澤元治関谷正徳岡田秀樹田中実影山正彦小河等岡本佳織岩城滉一クリスチャン・ダナーブルーノ・ジャコメリクリス・ニッセンオスカー・ララウリアンドリュー・ギルバート＝スコットポール・ワーウィックフィリップ・ファーブルマウロ・マルティニフォルカー・ヴァイドラー
F1マシン	CG901 CG901B CG911
F3000マシン	90B
主なスポンサー	BP オートグラスオザマディアビア
関連項目	マーチ

全日本F2000選手権・全日本F2選手権・全日本F3000選手権・フォーミュラ・ニッポン・スーパーフォーミュラ歴代チャンピオン

全日本F2000選手権

1970年代	73 黒澤元治 74 高原敬武 75 星野一義 76 高原敬武 77 星野一義

全日本F2選手権

1970年代	78 星野一義 79 松本恵二
1980年代	80 長谷見昌弘 81 中嶋悟 82 中嶋悟 83 ジェフ・リース 84 中嶋悟 85 中嶋悟 86 中嶋悟

全日本F3000選手権

1980年代	87 星野一義 88 鈴木亜久里 89 小河等
1990年代	90 星野一義 91 片山右京 92 マウロ・マルティニ 93 星野一義 94 マルコ・アピチェラ 95 鈴木利男

フォーミュラ・ニッポン

1990年代	96 ラルフ・シューマッハ 97 ペドロ・デ・ラ・ロサ 98 本山哲 99 トム・コロネル
2000年代	00 高木虎之介 01 本山哲 02 ラルフ・ファーマン 03 本山哲 04 リチャード・ライアン 05 本山哲 06 ブノワ・トレルイエ 07 松田次生 08 松田次生 09 ロイック・デュバル
2010年代	10 ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ 11 アンドレ・ロッテラー 12 中嶋一貴

スーパーフォーミュラ

2010年代	13 山本尚貴 14 中嶋一貴 15 石浦宏明 16 国本雄資 17 石浦宏明 18 山本尚貴 19 ニック・キャシディ
2020年代	20 山本尚貴 21 野尻智紀 22 野尻智紀 23 宮田莉朋

表話編歴 1997年のフォーミュラ・ニッポンを戦うチームと出走ドライバー
	Team Le Mans		ASAHI KIKO SPORTS		TEAM 5ZIGEN		TEAM ANABUKI 童夢 with 無限		SHIONOGI TEAM NOVA		TEAM CERUMO		TEAM TMS
1	ノルベルト・フォンタナ	3	川本篤	5	マルク・ホーセンス	8	脇阪寿一	9	ペドロ・デ・ラ・ロサ	11	光貞秀俊ミハエル・クルム（第10戦）	17	近藤真彦
2	エスティバン・トゥエロ（第1 - 6戦）ミハエル・クルム（第8戦）立川祐路（第9 - 10戦）			6	リスト・ヴィルタネン田嶋栄一（第4 - 10戦）			10	飯田章	12	サーラ・カバナ（第1・2戦）柴原眞介（第8 - 10戦）	18	ラルフ・ファーマン
	TEAM IMPUL		BE BRIDES ARP アスカ		NAVI CONNECTION RACING TEAM		SUPER NOVA with MIRAI		かもめサービス with MIRAI		オートテック STELLAR		STP STELLAR
19	黒澤琢弥	21	田中哲也（第1・5 - 10戦）	27	影山正美	32	ヴィンセンツォ・ソスピリ（第9・10戦）	33	鈴木利男	34	マウロ・マルティニ（第3戦）	34	アンドリュー・ギルバート＝スコット（第4・6・9戦）アンドレア・ボルドリーニ（第7・8・10戦）
20	影山正彦			28	山本勝巳					35	ミハエル・クルムマルコ・アピチェラ（第4 - 10戦）
	タカギ B-1 RACING TEAM		FUNAI SUPER AGURI		TEAM LEYJUN		SRI LANKA with TEAM LEYJUN		PIAA NAKAJIMA RACING
36	玉中哲二	55	金石勝智	62	戸田哲史（第4 - 8戦）	63	ディランタ・マラガムワ（第1 - 5戦）	64	高木虎之介
37	山田政夫（第1 - 5・7 - 10戦）	56	本山哲道上龍（第10戦）	63	OSAMU（第6 - 10戦）			65	山西康司