喜びの島

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喜びの島』(よろこびのしま、L'Isle joyeuse)は、クロード・ドビュッシーによって、1904年に作曲されたピアノ独奏曲である。イ長調。4分の4拍子。リディア旋法に拠っている。

概要

ジャン・アントワーヌ・ヴァトー『シテール島の巡礼』
『喜びの島』自筆譜第1頁
【左】ジャン・アントワーヌ・ヴァトー『シテール島の巡礼』(1718年頃)。
【右】『喜びの島』自筆譜第1頁(1904年)。

この曲は、ジャン・アントワーヌ・ヴァトーの作品「シテール島への巡礼」(ルーブル美術館蔵。当初は「シテール島への船出」というタイトルだったが後に改題され現在のタイトルとなった)の影響を受けている。シテール島エーゲ海クレタ島の北西にある島で、神話では愛の女神ヴィーナスの島とされている。この作品は、装飾音やリズムの変化といった技巧を駆使して、きらめくように豊かな色彩の細やかな音を連ね、幻想的な愛の歓びを描き出している。

イタリアの指揮者ベルナルディーノ・モリナーリによる管弦楽版は、ドビュッシー自身の指示に基づいた編曲で、原曲の繊細な華やかさを損なうことなく仕上げられている。

初演

冒頭のカデンツァの演奏指示
『喜びの島』
Eunmi Ko(P)《2016年1月21日、マドリード=ロマン主義博物館にて》
音楽・音声外部リンク
全曲を試聴する
Claude Debussy:L'isle Joyeuse - マルク=アンドレ・アムラン(P)による演奏。CBC Music公式YouTube。

1905年2月18日、パリの国民音楽協会にて、リカルド・ビニェスの演奏による。この演奏会では『仮面』も初演されている。

出版

1904年、デュラン社 

  • 補足
この喜びの島は最初、「月の光」で有名な『ベルガマスク組曲』の1曲になる予定であったらしい。しかし出版社の都合上、一つの独立した曲として世に出ることとなった。同じく『仮面』も同様の理由で組曲に入れることを見送られ、単独曲として出版されている。

自筆譜

パリ国立図書館、Ms.977

外部リンク


ピアノ独奏曲
初期

フーガ - ボヘミア舞曲 - 2つのアラベスク - 舞曲(スティリー風タランテラ) - 夢想 - ロマンティックなワルツ - マズルカ - バラード - ベルガマスク組曲

中期

忘れられた映像 - ピアノのために - 版画 - 喜びの島 - 仮面 - 映像(第1集・第2集)

後期

子供の領分 - レントより遅く - 前奏曲集(第1集・第2集) - おもちゃ箱 - 英雄的な子守歌 - 12の練習曲 - 負傷者の服のための小品 - エレジー - 燃える炭火に照らされた夕べ

2台ピアノ・連弾
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