大谷良子

おおたに りょうこ
大谷 良子
職業 女優
ジャンル 劇映画時代劇現代劇サイレント映画
活動期間 1925年 - 1926年
配偶者 島耕二 (離婚)
志茂山剛 (再婚)
著名な家族 片山明彦 (島との長男)
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大谷 良子(おおたに りょうこ、生没年不詳)は、日本の女優である[1][2][3][4]俳優映画監督島耕二の最初の妻であり、島の長男で俳優の片山明彦の実母である[5]

人物・来歴

生年・生地ともに不明である[1]滝沢静子(1902年 - 1952年)の妹役を配役されている点から[6]、滝沢と同年代であることを推測することは可能であるが、定かではない。

記録の上でもっとも早くクレジットされているのは、1925年(大正14年)2月1日に公開された『涙の捕縄』(監督築山光吉)であり、同作を製作した京都市北区大将軍の日活京都撮影所(日活大将軍撮影所)の第一部(時代劇部)に、それ以前に入社している[2]。同年9月23日に公開された『狂へる漂人』(監督小林弥六)では「白痴・おそよ」役に抜擢され、同年11月21日に公開された短篇映画『小品映画集 サンドウヰツチマン』(監督鈴木謙作)および『小品映画集 人生と活動』(監督徳永フランク)では、それぞれ、三桝豊、斎藤達雄の相手役として主演している[2][3][4]

同年9月、同撮影所に俳優として入社した島耕二[7]とは、翌1926年(大正15年)3月19日に公開された『呑気な亭主』で共演し、同年7月4日に公開された『世界の智恵者』(監督阿部豊)に出演を最後に、島と結婚して引退した[2][3][4][5]。同年11月11日、長男でのちの俳優の片山明彦(本名・鹿児島燁彦)を出産する[5]。片山には妹・貞子がいて、島の長女にあたるが[5]、大谷の実娘か否かは不明である。

離婚・再婚の時期は不明であるが、『日本映画俳優名鑑 昭和五年版』が発行された1929年(昭和4年)の時点では、すでに俳優の志茂山剛の妻とされている[8]。島との間の長男・片山明彦は、のちに島と結婚した女優の片山夏子が育てた[5]。当時、夫の志茂山はマキノ・プロダクション所属の俳優であり、撮影所に近い京都府葛野郡花園村(現在の同府京都市右京区花園)に居住した[8]没年不詳

フィルモグラフィ

すべてクレジットは「出演」である[2][3]。公開日の右側には役名[2][3]、および東京国立近代美術館フィルムセンター(NFC)、マツダ映画社所蔵等の上映用プリントの現存状況についても記す[9][10]。同センター等に所蔵されていないものは、とくに1940年代以前の作品についてはほぼ現存しないフィルムである。資料によってタイトルの異なるものは併記した。

日活大将軍撮影所

特筆以外すべて製作は「日活大将軍撮影所」、すべて配給は「日活」、すべてサイレント映画である[2][3][4]

  • 『涙の捕縄』 : 監督築山光吉、製作日活京都撮影所第一部、1925年2月1日公開 - 女郎粂花
  • 『筑波鋭之助』 : 監督小林弥六、1925年9月23日公開 - 妹娘菊江
  • 『狂へる漂人』 : 監督小林弥六、1925年9月23日公開 - 白痴・おそよ
  • 『小品映画集 サンドウヰツチマン』[3][4](『小品映画集 サンドイチマン』[2]) : 監督鈴木謙作短篇映画、1925年11月21日公開 - 主演
  • 『小品映画集 人生と活動』 : 監督徳永フランク、短篇映画、1925年11月21日公開 - その妻(主演
  • 『正義萬歳』 : 監督徳永フランク、1926年1月11日公開 - 重吉情婦
  • 『クロスワード成金』 : 監督三枝源次郎、1926年1月31日公開 - 村の娘
  • 『銅貨王』 : 監督溝口健二、1926年2月7日公開 - その妻
  • 『呑気な亭主』[2][3](『浮気な亭主』[4]) : 監督楠山律、1926年3月19日公開 - 島耕二と共演
  • 『太陽に直面する男』 : 監督中山呑海、1926年4月30日公開 - 秀香
  • 『探偵令嬢』 : 監督楠山律、1926年5月14日公開 - 貴君愛子
  • 『情熱の浮沈』 : 監督田坂具隆、1926年6月25日公開 - その妹美佐子[2](その姪・美佐子[4]
  • 『世界の智恵者』 : 監督阿部豊、1926年7月4日公開 - 探偵助手関口秋子

脚注

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  1. ^ a b 日本映画史研究会[2011], p.368.
  2. ^ a b c d e f g h i j 大谷良子日本映画データベース、2013年2月17日閲覧。
  3. ^ a b c d e f g h 大谷良子、日本映画情報システム、文化庁、2013年2月17日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g 大谷良子日活データベース、2013年2月17日閲覧。
  5. ^ a b c d e キネマ旬報社[1979], p.149-150.
  6. ^ 筑波鋭之助、日本映画データベース、2013年2月17日閲覧。
  7. ^ キネマ旬報社[1979], p.271-272.
  8. ^ a b 映画世界社[1929], p.151.
  9. ^ 所蔵映画フィルム検索システム、東京国立近代美術館フィルムセンター、2013年2月17日閲覧。
  10. ^ 主な所蔵リスト 劇映画 邦画篇、マツダ映画社、2013年2月17日閲覧。

参考文献

  • 『日本映画俳優名鑑 昭和五年版』、映画世界社、1929年
  • 『日本映画俳優全集・男優編』、キネマ旬報社、1979年10月23日
  • 『日本映画人名辞典・俳優篇』、日本映画史研究会、科学書院、2011年4月 ISBN 4760303324

関連項目

外部リンク