ウイザート

ウイザート
品種 サラブレッド
性別
毛色 栗毛
生誕 1947年4月2日
死没 1959年3月[1]
セフト
白漣
母の父 レヴユーオーダー
生国 日本の旗 日本北海道浦河町
生産者 三好俊五郎
馬主 斉藤健二郎
調教師 梶与三男(京都
→相羽仙一(阪神
→清水茂次(京都)
競走成績
生涯成績 32戦19勝
獲得賞金 310万5600円
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ウイザートとは、日本競走馬である。おもな勝ち鞍は1949年阪神3歳ステークスセントライト記念など。3歳から4歳時にかけて6度のレコード勝利を含む、中央競馬連勝タイ記録の11連勝を記録した。

経歴

デビューは3歳7月に札幌競馬場で迎え、初戦は僅差の2着だった。二戦目の未勝利戦で浅見国一が手綱を取って優勝し、以後浅見とのコンビで快進撃を始める。続く二週間後の3歳オープン戦を6馬身差、レコードタイムで制すると、その後も連戦連勝。ハイレコードなど当時の関西有力馬を全く寄せ付けず、3歳時はこの年創設された西の3歳王者決定戦・阪神3歳ステークスを含め8戦7勝、うちレコード勝ち4回という驚異的な成績を残した。通常ならば翌年のクラシックへの最有力候補となるところだったが、ウイザートは出生時にクラシック登録[2]をされていなかったため、4歳になってもクラシックとは縁のないオープン戦を走り続けた。4歳初戦は再びレコードで圧勝。二走目に選んだハンデキャップ競走では、出走馬中ずば抜けて重い64kgの斤量を課せられたが、ハイレコード(58kg)をクビ差退けた。その後4月末のオープン戦レコード勝ちに至って、とうとうクリフジトサミドリに並ぶ11連勝を達成した。

しかし、クラシック初戦の皐月賞から10日後に出走した優勝呼馬戦で、圧倒的1番人気を裏切って3着に敗れ、連勝記録は途絶えた。次走は勝利したがその後再び連勝を始めることはできず、夏に出走した札幌記念では1歳年上の二冠馬トサミドリに完敗の3着。秋になってオープン戦とセントライト記念を連勝したが、その次の毎日王冠では9着と初の大敗を喫した。その後はオープン平場戦などの一般競走をいくつか勝ったのみで、大きなタイトルは加えられないまま、5歳夏に出走した函館記念4着を最後に競走馬を引退した。1952年より種牡馬として当初は宮崎県北海道日高を経て最終的には宮崎県に戻って供用されたが、障害競走地方競馬重賞優勝馬を1頭ずつ出したのみの成績に終わった。1959年3月に馬伝染性貧血に罹患したのが原因で、家畜伝染病予防法に基づき殺処分となった。

全32戦中26戦で手綱を取った浅見は、「ウイザートにクラシック登録があったなら、三冠は無理でも、一つか二つは必ず勝っていた」と回想している。ウイザートが3、4歳時に3戦全勝したハイレコードは、皐月賞で2着、菊花賞で優勝している。

馬齢別成績

  • 3歳-8戦7勝(阪神3歳ステークス)
  • 4歳-18戦10勝(セントライト記念)
  • 5歳-6戦2勝

主な産駒

エピソード

多くの競馬小説を発表している作家の新橋遊吉は、友人と訪れた競馬場でたまたま目にしたウイザートの強さに惹かれて本格的に競馬を見始め、強さを誇りながらクラシックに出走できなかった悲劇性から、自身の作品やエッセイでたびたびウイザートを取り上げている。新橋の処女作品であり直木賞受賞作の『八百長』はウイザートに捧げられたもので、多少の脚色を交えながらその生涯をモデルとした馬「ハヤテオー」と、彼に心酔する若手騎手の物語となっている。

血統表

ウイザート血統ザテトラーク系/5代内アウトブリード (血統表の出典)

*セフト
Theft
1932 鹿毛
父の父
Tetratema
1917 芦毛
The Tetrarch Roi Herode
Vahren
Scotch Gift Symington
Maund
父の母
Voleuse
1920 鹿毛
Volta Valence
Agnes Velasques
Sun Worship Sundridge
Doctorine

白漣
1934 栗毛
*レヴユーオーダー
Review Order
1923 栗毛
Grand Parade Orby
Grand Geraldine
Soligena Pericles
Accuracy
母の母
第三シルバーバツトン
1916 栗毛
*ブレアーモアー
Blairmore
Blairfinde
Woollahra
*シルバーバツトン
Silver Button
Bachelor's Button
Queen of the Florin F-No.4-g

父セフトは当時のリーディングサイアー。曾祖母シルバーバットンは「シルバーバットン系」と呼ばれる名牝系の祖で、その系統からは多くの名馬が出ており、ウイザートの従弟にあたるダイナナホウシュウも11連勝を達成している。

注釈

  1. ^ 中央競馬年鑑 昭和35年p.188より引用
  2. ^ クラシック競走への出走意思を示す登録。

参考文献

外部リンク

  • 競走馬成績と情報 netkeiba、JBISサーチ
阪神3歳ステークス
1940年代

第1回 ウイザート

1950年代

第2回 ミネハル / 第3回 テツノハナ / 第4回 ワカクサ / 第5回 ヤシマアポロ / 第6回 ライデンオー / 第7回 トサモアー / 第8回*1 ミスオンワード / 第9回 メイジミドリ / 第10回 インターナシヨナル / 第11回 コダマ

1960年代

第12回 リユウライト / 第13回 チトセハーバー / 第14回 コウタロー / 第15回 プリマドンナ / 第16回 エイトクラウン / 第17回 ニホンピローエース / 第18回 タイギヨウ / 第19回 マーチス / 第20回 リキエイカン / 第21回 タニノムーティエ

1970年代

第22回 ロングワン / 第23回 ヒデハヤテ / 第24回 キシュウローレル / 第25回 キタノカチドキ / 第26回 ライジン / 第27回 テンポイント / 第28回 リュウキコウ / 第29回 バンブトンコート / 第30回 タマモアサヒ / 第31回 ラフオンテース

1980年代

第32回 サニーシプレー / 第33回 リードエーティ / 第34回 ダイゼンキング / 第35回 ロングハヤブサ / 第36回 ダイゴトツゲキ / 第37回 カツラギハイデン / 第38回 ゴールドシチー / 第39回 サッカーボーイ / 第40回 ラッキーゲラン / 第41回 コガネタイフウ

1990年代
阪神3歳牝馬ステークス
1990年代

第43回 ニシノフラワー / 第44回 スエヒロジョウオー / 第45回 ヒシアマゾン / 第46回 ヤマニンパラダイス / 第47回 ビワハイジ / 第48回 メジロドーベル / 第49回 アインブライド / 第50回 スティンガー / 第51回 ヤマカツスズラン

2000年代
阪神ジュベナイルフィリーズ
2000年代

第53回 タムロチェリー / 第54回 ピースオブワールド / 第55回 ヤマニンシュクル / 第56回 ショウナンパントル / 第57回 テイエムプリキュア / 第58回 ウオッカ / 第59回 トールポピー / 第60回 ブエナビスタ / 第61回 アパパネ

2010年代
2020年代
  • 1 「京都3歳ステークス」の競走名で施行