ホンダ・RC212V

2007年仕様[1]
Exhibited in AutoExpo 2008
基本情報
エンジン 800 cm3 4ストローク
水冷DOHC4バルブV型4気筒
最高出力 148kW(201PS)以上
車両重量 Over 148 kg
      詳細情報
製造国
製造期間 2007年-2011年
タイプ ロードレーサー
設計統括 HRC
デザイン
フレーム ツインチューブ
全長×全幅×全高 2,050 mm × 645 mm × 1,125 mm
ホイールベース 1,440 mm
最低地上高 125 mm
シート高
燃料供給装置
始動方式
潤滑方式
駆動方式 チェーンドライブ
変速機
サスペンション 倒立テレスコピック式
07年のみニューユニットプロリンク 08年以降はプロリンク
キャスター / トレール
ブレーキ 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
タイヤサイズ 16.5インチ
16.5インチ
最高速度
乗車定員
燃料タンク容量 21 L
燃費
カラーバリエーション
本体価格
備考
先代 ホンダ・RC211V
後継 ホンダ・RC213V
姉妹車 / OEM
同クラスの車 ヤマハ・YZR-M1
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RC212V(アールシーにいいちにブイ)とは、ホンダ(HRC)ロードレース世界選手権MotoGPクラス参戦を目的として製作されたレース専用オートバイである。2007年から2011年までロードレース世界選手権に投入された。

概要

RC212Vを運転するケーシー・ストーナー。2011年には年間チャンピオンに輝いた。

RC212Vは2007年よりMotoGPクラスのエンジン排気量の上限が990ccから800ccに変更されたのに伴い、RC211Vの後継車種として登場した。エンジン形式はRC211VがV型5気筒を採用していたのに対し、FIMによるレギュレーション変更における排気量削減と、気筒数による最低重量の変更によりV型4気筒を採用している。これは、5気筒による高回転高出力化のアドバンテージよりも、重量面のハンディ(4気筒の最低重量が148kgなのに対し5気筒の最低重量は155.5kg)の方が影響が大きいとの判断による。HRC社内呼称は「NV6(シックス)」の後ろにアルファベット順で開発年の順に割り振られている(EやFはエンジン用パーツやフレーム用パーツと混同しやすいので飛ばしている)。また「NVO(オー)」「NVI(アイ)」も飛ばされているが、これは数字のゼロとアルファベットのオーが紛らわしい、Iが1と紛らわしいという理由である。

一方でフレームに関しては、前年にニッキー・ヘイデンがライディングしてチャンピオンを獲得した「ニュージェネレーション」と呼ばれる仕様のRC211Vがベースとなっている。「ニュージェネレーション」は、「オリジナル」と呼ばれる従来型のRC211Vに較べて大幅にコンパクト化されており、いわばRC212Vの先行開発モデルと言えるものであった。

こうしてコーナーリングと立ち上がり加速重視のコンセプトのもとに生まれたRC212Vであったが、当初のライダーの評価は「パワー不足」というものであった。事実、2007年シーズンが始まってみると、圧倒的な最高速を誇るドゥカティデスモセディチGP7の後塵を拝し、シーズン2勝を挙げるのがやっとであった。しかしシーズン中にも大幅な改良が続けられ、終盤には4戦連続ポールポジションを獲得するまでに戦闘力を向上させた。

以降もヤマハおよびドゥカティの後塵を拝する状況が続き、RC211Vの戦績に比べると苦戦が続いたが、都度改良が加えられ続けたことにより勝利数は増えていくようになる。

2008年のサマーブレイク明け以降からダニ・ペドロサ車のみタイヤメーカーをブリヂストンに変更。また2009年からタイヤがワンメイク化されたこともあり、全車NS500からの伝統であったミシュランタイヤをブリヂストンに変更している。

2010年モデルからはサスペンションを長年使用されていたショーワからオーリンズ製へ、ホイールもHRC自社生産モデルからマルケジーニ製へと変更されている(オーリンズ製サスペンションに関しては2009年シーズン後半からアンドレア・ドヴィツィオーゾのマシンで先行投入されている)。これはタイヤのワンメイク化に伴い、足回りをライバルと同じ仕様にすることでトラブルの際の原因をシンプル化することが目的であるという。なおこの変更でMotoGPクラスの全参戦マシンがオーリンズ製サスペンション・マルケジーニ製ホイールとなっている(なお2010年からテック3が、2011年からヤマハワークスがホイールをMFR製に変更している)。

投入以降長らく問題化されていたエンジンのパワー不足に関しても、2009年よりエンジン開発やマネジメントシステム開発にホンダF1F1エンジンを開発に関っていたエンジニアが参加したことでほぼ解消されているという[2][注釈 1]2011年型では新型のシームレスミッションが採用されており(ホンダが最初に投入し、その後スタンダードとなったF1のシームレスミッションの技術の応用だけではなく、マウンテンバイクのワークス参戦時に得た材質加工技術も生かされているという[3])、ライバル陣営に対するアドバンテージとなっていると言われている[4]中で、ホンダに移籍してきたケーシー・ストーナーの絶好調もあり6年ぶりにマニュファクチャラー・ライダー・チームのチャンピオン3冠奪回を果たし、レギュレーションの変更に伴い最後のシーズンとなるRC212Vにとって最高の締めくくりとなった。

2012年シリーズからは再び排気量が1,000ccになるのに伴い、後継機のRC213Vに引き継がれる。

主な戦績

世界タイトル獲得回数:1
ケーシー・ストーナー:2011


マニュファクチャラーズ・ランキング
  順位 優勝回数 レース回数 優勝ライダー
2007年 3位 2 18 ダニ・ペドロサ(2勝)
2008年 3位 2 18 ダニ・ペドロサ(2勝)
2009年 2位 3 18 ダニ・ペドロサ(2勝)
2010年 2位 4 18 ダニ・ペドロサ(4勝)
2011年 1位 13 17 ケーシー・ストーナー(10勝)
ダニ・ペドロサ(3勝)

参考画像

  • RC212V、2007年ダニ・ペドロサ車 - EICMA 2007, Milan (Italy)
    RC212V、2007年ダニ・ペドロサ車 - EICMA 2007, Milan (Italy)
  • RC212V、2007年マルコ・メランドリ車 - EICMA 2007, Milan (Italy)
    RC212V、2007年マルコ・メランドリ車 - EICMA 2007, Milan (Italy)
  • RC212V、2011年ケーシー・ストーナー車
    RC212V、2011年ケーシー・ストーナー車

脚注

[脚注の使い方]

注釈

  1. ^ 事実RC212V最終年となる2011年ではライダーの体格等による違いはあるものの、他メーカーのマシンと比較しても最高速度で5km/h前後速い速度を常に計測している。

出典

  1. ^ “2006年10月31日ニュースリリース”. 2012年11月17日閲覧。
  2. ^ ライディングスポーツ2011年4月号より
  3. ^ ライディングスポーツ2012年3月号より
  4. ^ ホンダ公式サイト内宮城光のホンダMotoGP2011シーズン分析

参考文献

関連項目

外部リンク

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