土居次義

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土居 次義(どい つぎよし、1906年4月6日- 1991年11月24日[1])は、日本美術史学者。専門は日本美術史京都工芸繊維大学名誉教授、京都新聞文化賞、紫綬褒章、京都府文化賞特別功労賞、京都市文化功労賞、授与。元京都国立博物館館長。

来歴・人物

大阪府大阪市天王寺区生まれ。大阪府立高津中学校、第三高等学校、京都大学文学部哲学科美学美術史卒業、同大学文学部助手として研究室に残る。大阪府立大手前高等女学校講師、恩賜京都博物館監査員。1945年(昭和20年)京都市文教局文化課長に奉職、市内の文化財の疎開に奔走、二条城の襖絵などを疎開させ復旧。1949年(昭和24年)京都工芸繊維大学教授となり、意匠工芸科の創設に尽力、1970年(昭和45年)同大学退官と同時に名誉教授。

1953年 龍谷大学 文学博士。論文の題は「長谷川等伯・信春同人説」[2]

京狩野を含む狩野派長谷川派、海北派、雲谷派、高田敬輔派、曽我派といった京都を中心に活躍した絵師を研究した。特に長谷川等伯の研究では、「等伯・信春同人説」を提出し現在ほぼ定説となるなど、等伯研究の第一人者として知られる。

まず特定の画家の基準となる作例を特定し、その上で手法や作風が共通する作品を見出し、その画家の実像を浮き彫りにして行った。その結果、寺伝と食い違うことがままあり、「寺宝・狩野永徳」筆とされてきたものが無名の絵師の作にされては叶わないと、寺の出入を禁止されたという話が残っている。一方で、親しく出入りしていた大徳寺三玄院では住職から長谷川等伯についての興味深い逸話[3]を聞き、その襖絵が明治期に高台寺円徳院に売られたと聞いて、その足で円徳院に向かい等伯の襖絵を発見した。現在、円徳院の襖絵は重要文化財に指定されている。

死後、土居が残した膨大な調査資料は、京都工芸繊維大学附属図書館および美術工芸館に収められ、現在整理が進められている。

著作

  • 『桃山障壁画の鑑賞』宝雲舎 1943
  • 『日本近世絵画攷』桑名文星堂 1944
  • 山楽山雪』桑名文星堂 1944
  • 『襖絵』講談社(日本美術シリーズ) 1956
  • 『長谷川等伯・信春同人説』文華堂書店 1964
  • 『桃山の障壁画』平凡社(日本の美術 第14) 1964
  • 『障壁画』至文堂(日本歴史新書) 1966
  • 『桃山』講談社(日本絵画館 第6) 1969
  • 『近世日本絵画の研究』美術出版社 1970
  • 永徳と山楽 桃山絵画の精華』清水書院(センチュリーブックス) 1972
  • 『長谷川等伯』至文堂 1973
  • 『三竹園美術漫録』講談社 1975
  • 『長谷川等伯研究』講談社 1977
  • 『山楽と山雪』至文堂 1980
  • 『水彩画家大下藤次郎美術出版社 1981

共編著

  • 『京都美術大観 第4巻』東方書院 1933
  • 『障壁画全集』美術出版社 1966-72
  • 『日本絵画館 月報』講談社 1969-1971
  • 渡辺始興障壁画』光村推古書院 1972
  • 『水墨美術大系 第8巻 元信・永徳』講談社 1974
  • 『日本美術絵画全集 第12巻 狩野山楽・山雪』集英社 1976
  • 『日本美術絵画全集 第9巻 狩野永徳・光信』集英社 1978

記念論集

脚注

  1. ^ 『人物物故大年表』
  2. ^ 博士論文書誌データベース
  3. ^ 「三玄院の方丈に真新しい襖が嵌っていたが、その唐紙には雲母(きらら)摺りの桐紋の模様が入っていた。この襖を見つけて絵心を刺激された等伯は、襖に絵を描かしてくれるよう住職に頼んだが、住職はすでに桐紋の模様が入っているからと断った。再三の頼みも聞き入れられなかった等伯はある日、住職が外出していると知って、これ幸いと襖に水墨画を描き始め、住職が帰って来た頃にはもう仕上げていた」というもの。土居の見解では、確かに一部には筆を急いだと思われる部分が見られるという。三玄院旧蔵の等伯筆の襖絵は円徳院の他、家にも残る。
京都国立博物館長(恩賜京都博物館長:1946年 - 1947年)
帝国京都博物館長
京都帝室博物館長
恩賜京都博物館長
  • 事務取扱 多久安信 1924-1925
  • 事務取扱 千葉弥助 1925
  • 事務取扱 田原和男 1925
  • 事務取扱 松原権四郎 1926
  • 和田不二男 1926-1938
  • 川口知雄 1938-1942
  • 事務取扱 大石右一 1942
  • 則包末広 1942-1946
  • 土居次義 1946-1947
  • 入山雄一 1948-1949
  • 冨岡益五郎 1949-1952
京都国立博物館長
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